シリコンバレー企業ツアー: 2008年1月アーカイブ

プロボに帰る最終日は、のんびりと朝9時過ぎに出発。外に出るとリムジンが僕達を待っていて・・・などということはなく、これは岡野のお兄様のお仕事カー。そう、リムジンの運転手のお仕事を時々されているのです。かっこいい!
DSCF5413.JPGせっかくここまで来たのだから、ということで、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジに立ち寄って、プチ観光。このブリッジは、シスコシステムズのロゴマークの元になったことでも有名で、シスコシステムズのシスコは、サンフランシスコからきているそうです。その後我々4人は一路プロボへ。帰りは、結局15時間ほど時間がかかり、家についたのは夜中の1時だった。

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旅の総括
傍目には単に6社の企業を2,3時間ずつ訪問しただけだったが、個人的には本当に刺激に満ちたよい旅だった。どの企業へ行ってもスケールの大きさを痛感したのは、「恥を知れ!」と我々をなじったシスコの副社長が何度も「グローバル・ポートフォリオ」という言葉を何度も使っていたように、ここシリコンバレーのトップ企業は、このカルフォルニアの地から、世界戦略を練って邁進しているのだ。日本の市場のことしか考えない多くの日本企業とは大違いだ。まあ、トヨタとかに行けば別なのだろうけど。。

しかし、本で読む知識と、実際に足を運んで五感で感じて吸収する知識は、天と地ほどの違いがあると痛感した。以前IT業界にいたので、ある程度どの企業のことも知っているつもりだったけれど、実際に訪問してみると、文字には表れない、企業文化や人の特徴、企業の強みなど、たくさんのことを学ぶことができた。

たすく君は、人事や組織、というスコープで6社を見ていたようだが、しきりに、企業文化の重要性を話していた。企業文化は経営者が作り上げるものだ、とよく言われているが、まさしく、シスコシステムズはジョンチェンバースそのものであろうし、Googleはラリー・ページとセルゲイ・ブリンそのものだと思った。彼らがイメージした組織や会社のあり方が形になり、同じ波長を持つ人を引き寄せ、そして会社の文化を形成してゆく。さらに、シリコンバレーではそういった無数の会社が集まり、大きなうねりになって、世界の最先端を走る一つの都市(まち)を形成してている。

シリコンバレー。ここは、情報技術という道具を使って、新しい人類の未来を切り開いていこうとする人々が集う、巨大な実験室なのだ。

最後に、五日間に渡る旅を共に過ごしてくれたカイル、ケニー、たすく君の3人と、快く我々を送り出してくれたそれぞれのCEO(超・偉い・奥さん)に感謝の言葉をお伝えしたいと思います。




追記

プロボに帰宅した二日後、たすく君の奥様から関係者各位にメールが届いていた。

Dear My Friends,
The reason why I am sending this message to you is that I think it is time for all of us to leave our husbands and kids at home and have some fun! We all are busy with kids, husbands, house work and many many things.. and many times we forget to take care of our own needs.  Since some of our husbands had nice big trip to San Fran, and now it is OUR TURN to have a little break.
(中略)
To the husbands, believe me, you will have a nicer wife after this night out! =)

要は、簡単に言うと、「旦那が散々遊んできたので、今度は私達の番よ!ベビーシッター任せたからね!!」とのこと。ひょえ~、まさにスターウォーズで言うところの「帝国の逆襲 」。「当然よね~」ということで、わが社(家)の社長(妻)も、ノリノリで参加の返信メールを送っていました。やっぱり人生、貰いっぱなしというわけには行きませんね。週末はベビーシッターでございます。苦笑

岡野ご家族への感謝

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シリコンバレーに滞在していた四日間の間、我々4人が宿泊していたのが、ケニーの親戚の岡野家族の家。ケニーとはどういった関係かというと、これが結構複雑で、岡野のお母様は、ケニーのお母さんのお姉さんの旦那さんの妹ということで、僕も頭の中でイメージするのにしばらく時間がかかった。笑

岡野のお母様は、かの有名な渡部ご家族(注:内輪ネタです)の次女で、現在では一族総勢で95人(!)になっているという。さらに、横浜に住んでいた時期がある、というのでよく聞いてみると、何と横浜市立宮田中学校の卒業で、僕の先輩であることが判明。まさか、シリコンバレーで中学校の大先輩にお会いするとは夢にも思わなかった。

四日間に渡り、毎朝おいしい朝食を用意して頂いただけでなく、金曜日の夜には僕と妻の友人であるS夫妻や、たすく君のハワイ時代の友人も招いて夕食会を開いてくださった。用意して頂いた日本食の美味しい事といったら!・・・カルフォルニアに住んでいる日本人の皆様が羨ましくなりました。。

ほぼ一年ぶりに頂いたおでんと、お寿司。最高でした
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中央にいらっしゃるのが岡野のお母様と息子さん
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これはちょっと余談だが、夕食の席では、アーンストンヤングで働いている、というS夫妻の旦那さんから、いろいろとアメリカでの監査のお話を聞けて、面白かった。内部統制の話を中心にいろいろと質問させて頂いたのだが、やはりSOX法のインパクトはかなり大きかったらしく、制定して5年以上経つアメリカでも、監査の世界では、まだホットな話題のようだった。しかし、やはり内部統制は一度軌道に乗せてしまえば基本的には続けるだけなので、最近では少しずつ落ち着きを取り戻し始めているとのことだった。

四日間に渡り、岡野ご家族には本当にお世話になり、感謝の言葉しか見つかりません。岡野家にお世話になって、僕も久しぶりに親孝行がしたくなりました。本当にありがとうございました。このご恩は忘れません。
Google。僕はGoogleのヘビーユーザーで、この会社をこの目でみるために社長(妻)に許可をもらい、このトリップに参加したと言っても過言ではない。どうしても、アメリカにいるうちに、この目でGoogleを見ておきたかった。ちょっと長くなるが、今まで僕が学んだことと、今回のトリップで感じたことをまとめてみたい。


Googleのキャンパス
Googleに向かう道は、土砂降りの雨。僕らがGoogle本社の敷地に足を踏み入れると、そこはまさにワンダーランドだった。道行く人はカラフルなGoogleのコーポレートカラーをモチーフにした傘をさして歩いていて、人種もまばらで、もちろん皆私服。建物の脇にはGoogleバイクなる自転車と簡易バイクが設置されていた。そして中庭には、サンタの帽子をかぶったティラノザウルスの巨大な化石が。・・・ここ、本当に会社か!?

しかし、驚くのはまだまだ早かった。会社ツアーということで社内に立ち入らせてもらうと、巨大な飛行機が天井からつるされていて、至る所にビリヤード台や卓球台、フーズボールの台などが設置されている。カフェテリアは15箇所あり、すべてオーガニックを使用している上、すべて無料。フィットネスクラブ、ランドリー、そして洋服まで無料で支給されている。

もちろん勤怠管理などなく、チームごとにプロジェクトがアサインされていて、恐らくは結果だけで評価されているのだろう。オフィスの仕事場もかなりキテいて、オフィス内に仮設テントのようなものが設置されていて、そこで皆仕事をしている。きくとポジションの高い人も、個人部屋などというものはなく、チームワークを促進するために共同部屋になっているのだという

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創業者の趣味で展示されたティラノザウルスの化石。本物らしいです。
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Googleの傘をさす社員。奥にはペットの犬を連れて散歩する社員の姿が。
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Googleの受付。残念ながら、写真が取れたのはここまで。
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天才たちの楽園
こういったGoogleのオフィスの特徴を総括して表現してみるならば、「天才オタクの楽園」とでも言えるのではないだろうか。Googleの学歴好きは有名で、Ph.Dを持つ人材を抜群に優秀な人材を世界中からかき集めている。そして彼らに最高の職場環境とプロジェクトを提供することによって、質の高い仕事をしてもらおう、というのがGoogleの意図なのだ。なぜこういったことができるのかと言うと、Googleの創業者のラリー・ページとセルゲイ・ブリンは二人ともスタンフォードの博士課程を経験しており、さらには現在のCEOであるエリックシュミット氏もバークレーで計算機科学の博士号を取得しているため、エンジニアという人たちの気質や立場、感情が痛いほど分かるからだろう。

最近では入社を希望する人が世界から殺到しているようで、正面玄関からの入社はかなり厳しくなっているらしい。ディナーでGoogleのマネージャーからケニーが聞いた話によると、最も採用される可能性が高いのは、やはりコネ入社で、Googleの社員と個人的な友好関係を築き、ターゲットの部署の人にResumeを転送してもらうのがよいとのこと。


Googleのミッションとビジネスモデル
Googleは「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」という途方もないミッションを掲げているのだが、実際にどのように収益を上げているのか、知っている人は多くないと思う。実はGoogleの収益のほとんどは、アドワーズと呼ばれる、広告ビジネスから成り立っている。このアドワーズは、簡単に言うと「キーワード」を入札方式で欲しい人に販売しているのだ。

例えば、「自動車保険」というキーワードをGoogleで検索してみると、次のように表示される。
Google.jpgこの中で赤で囲っているところがGoogleのキャッシュポイントで、誰かがこのどれかをクリックすると1,500円前後がGoogleに落ちる仕組みになっている。海外の人気キーワードになると、ワンクリック5,000円以上になるものもあるらしい。

驚くべきことに、このビジネスモデルは完全に自動化されており、キーワードを購入してアクセスアップを図ろうとする個人や企業はシステムにアクセスし、勝手にお金を落とす仕組みになっている。もちろん、キーワード購入者のターゲットは、世界中のGoogleユーザー達で、彼らはGoogleのサービスを使うたびにスポンサーリンクをクリックして、Googleの売上に寄与していることになる。Googleはこのアドワーズを中心に、2007年度は約一兆円売上を上げたのだから、まさにモンスターだ。


Googleのサービスとその意図
アドワーズ事業で莫大な収益を上げるGoogleが提供するサービスの多くは無料で提供されている。これらのサービスは、前述した「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにする」というミッションに従って提供されている。現在では圧倒的なシェアを誇る様々な検索機能のほか、Gmail、オンライン上で使えるワード、エクセル、プレゼンテーション、アクセス解析、画像管理、ブログ、地図ソフトなど、ますますその境界線を広げている。面白いのは、これだけ社内に天才を集めてるのに、Googleが提供しているサービスの多くは買収した企業のものが多い(最近ではYoutubeを約2000億円で買収したことでも有名)。本当にWebの世界というのは奥が深いものだ。

Googleが提供しているサービスの本質は、かのベストセラーウェブ進化論 に詳しく書かれているが、要は世界中のGoogle以外の空間に保存されている情報を、Googleのサーバーに格納してしまおう、という壮大なものだ。そういった意味で、これからもGoogleはWebの世界を飲み込み続けるだろう。以前の職場の上司である山口さんが、GoogleがいつかERPを無料で提供する日が来るかもしれない、と冗談まじりに言っていたことがあるが、今回本社を見て、近い将来本当にそんな日が来るのでは、と思わずにはいられなかった。

Googleのユーザーでない方は、まずはGoogleツールバーを付きのFireFoxのインストールから始められたらいいと思います。使いやすいですよ。


Web進化論。
Web2.0とGoogleの本質を解き明かした良書です。是非ご一読を。

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3日目はシスコシステムズ。シスコシステムズは、スタンフォード大学でコンピュータオペレーターとして働いていた、レン・ボサックとサンディ・ラーナーの夫妻が1984年に設立した会社。シスコは商業的に成功したマルチプロトコルルータを最初に製造した会社で、1990年、会社はナスダック市場に上場している。

シスコは、買収や内部開発、他社との連携により、ルータ以外の多くのネットワーク機器市場にも進出し、ルータ、スイッチ、ワイヤレス製品は現在世界のトップブランドとなっている。

今回訪問した6社の中ではHPに並ぶお堅い雰囲気の会社だったのだが、これまで5社を訪問した時点で僕は、製品の特性と会社のカルチャーが関係があるのではないかと思い始めてきた。考えれば当然のことだが、PCやサーバー、ネットワーク機器などの用途がある程度固定されてるハード製品は、開発するのに特にクリエイティビティは必要ない(と言ったら会社の人に怒られそうだが)。

インフォメーションセッションでは、投資銀行出身のファイナンス部門の副社長が話をしたのだが、早々、「シスコの財務格付けを知ってるか?負債総額は?」などと抜き打ちクイズを出し始め、誰も答えられないのが分かると、「Do your home work! Shame on you! (事前勉強してこい!恥を知れ)」と言い放った。これにはさすがに皆驚いた。すると横にいたケニーがポツリと言った。「Not everyone wants to go to your company(ここにいる全員がシスコで働きたいわけじゃないよ。)」

また、人事は非常に強いようで、お堅い企業文化の形成に一役買っているようだった。また、同社の名物CEO、ジョン・チェンバース氏は同社にとっての英雄のようで、プレゼンテーションの中に何度も彼の引用が紹介されていた。もし日本で日本の会社が説明会で同じことをしていたら、かなり引いただろう。さすがは、成功者が賞賛される国、アメリカだ。

シスコはBYU MBAが好きで(やはりお堅いからか!?)、毎年インターンとフルタイムで4,5人にオファーを出している。ただ、オファーを貰った後、シリコンバレーの生活費が高いことを理由に断る人が半数近くいて、説明会の中では給料のレンジ($90,000-$110,000)を紹介して、これだけ払うんだから、もう生活費を断る理由にしないで欲しい、と言っていた。まぁ、卒業後の帰国を条件に奨学金を貰っている僕には、残念ながらまったく縁のないお話です。。

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2日目午後は、アップルコンピュータ。本当はランチをここでご馳走になるはずだったが、皆が(HPに残っていたせいで)遅刻したため、スケジュールが変わってしまった。

このアップルの本社は面白くて、中央に広場があり、その広場を囲むような形で同じ形の建物がぐるっと立てられている。
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アップルコンピュータとスティーブジョブスの歴史は、さながらドラマのようだ。アップルコンピュータは、1970年代にアタリの技師をしていたスティーブ・ジョブズとヒューレット・パッカードに勤務していたスティーブ・ウォズニアックの2人がPCを造り始めたことに始まる。1980年にはAppleIIという機種で、大きな成功を収め、ジョブスは一躍時の人となる。

その後ジョブスはウォートンでMBAを取得しペプシで働いていたジョン・スカリーを社長に引き抜き、ダイナミック・デュオと呼ばれた体制に移行した。しかし、後にジョン・スカリーとジョブスは対立し、1985年にジョブスはアップルから追放されることになる。

追放されたジョブスは別会社を設立し、ビジネスを展開していったが、その間にアップルは経営難に直面(一時は競合への売却も視野に入れていたらしい)し、1996年にはついにジョブスは次世代OSの開発を名目に、アップルに復帰し、現在に至る。


アップルコンピュータのインフォメーションセッションでは、人事のディレクターが中心に話をしてくれた。最近のアップルは誰もが知っているように、iPodのヒットで世界を席巻、iPhone、世界最薄のノートPC「MacBook Air」など話題にことかかない、最も勢いのある企業であることは間違いないと思う。iPodに関して言えば、直近の四半期の販売台数が1億4000万台と途方もない台数を販売している。

アップルの特徴を一言で言えば、「宗教」である。Mac教とでも言ったら良いかもしれないが、人事のディレクター曰く、「自由闊達なこのアップルでの唯一のルールは”ジョブスに従うこと”だ」。現在ではそのくらジョブスの影響や権限は強いらしい。

また、製品開発に関して言えば、前述したIDEOが緻密なリサーチを積み重ねてデザインを生み出しているのに対し、アップルではそういった外部のカスタマーに対するリサーチなどはせずに、ジョブスを初めとする内部のエンジニア達が自分たちが欲しいもの、必要だと思うものを製品にして販売している。つまり、彼らは万人うけするプロダクトを作ろうなどとは思っておらず、あくまで自分たちの理想のプロダクトを開発し、その理念に共感する人を集めている、まさに宗教チックな会社なのだ。

しかし、そういった製品開発が中心にくる会社であるため、相対的に他の部署の比重が軽くなる一面もあり、こと僕が勉強しているマーケティングに関しては、社内では軽いポジションであり、社内には「よい製品を作れば勝手に人がプロモーションし、勝手に売れていくはずだ」という考えが浸透している。ここ数年のアップルの実績を見れば、これはまさに的を得ている。

また、本社に来て話を聞いて再確認できたのは、「Hello, Mac(日本語では、こんにちはマックです)」で有名なあのCMでも分かるとおり、やはりアップルはマイクロソフトを小馬鹿にしている、ということだ。彼らからすると、マイクロソフトのやっていることは、全然かっこよくないし、おかしな事ばかりなのだろう。ちなみに「Hello, Mac」のCMは、アメリカ版ではもっと挑発的な内容になっている。

インフォメーションセッション終了後は、本社にしかないアップルの専門店でお買い物。ここはここでしか購入できない限定品が販売されていて、ファンにはたまらない場所だろう。ちなみに僕はMacユーザーでもないのに、子供用に、リンゴのロゴ入りのシャツと、自分用に「Hello, Mac」のシャツを購入。ミーハーですいません。。

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子供のお土産を買いました
P1240224.JPGiPod シャッフルをつけるケニー
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2日目の朝は、HP(ヒューレットパッカード)。2時間ほどのインフォメーションセッションを用意してくれた。

入り口にて
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落ち着いた、威厳のあるオフィス
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HPは、1939年にウィリアム・ヒューレットとデビッド・パッカードによって設立されたIT企業。元来は計測器メーカーであったが、計測器は1999年にアジレント・テクノロジーへ分割、現在ではコンピュータ関連メーカーとなっている。パソコン、サーバー、プリンタなどで世界的シェアを持つ一方、社員の多様性を尊重した社風"HP WAY"でも知られる。

2006年11月16日に発表した2006年会計年度(2006年10月まで)によると、HPの年間売上高は917億ドルに達し、IBMが発表した2006年度の決算(売上高914億ドル)を抜き、世界第1位のIT企業へと成長している。ただ、IBMがコンサルティングやサービスなどソフト部門へのシフトを加速しているのに対し、HPはサーバーやプリンタなどハード事業の売上を伸ばしていることから、正直に比較することがよい事なのかどうかは議論の余地があると思う。

グローバルなPC事業においては、トップシェアを誇っていたDELLとの激しいデットヒートを繰り広げている。COMPAQとの合併後、しばらくの間、DELLに次ぐ2番手の地位に甘んじていたが、2006年3QにおけるPCの販売台数が世界1位となる。続く4Qも1位を継続中。ここら辺のDELLの落ち込みが原因で、ケビンロリンズ前CEO(BYU MBAの卒業生)は解任に追い込まれたことを考えると、ちょと複雑な気分もする。

業界では、2002年にコンピューター最大手コンパックコンピュータ (COMPAQ) との大規模合併で話題を呼んだが、インフォメーションセッションで登壇したM&A担当の社員の話だと、ここ2,3年で既に40社を買収しているらしく、たまたまその中の最大の案件がコンパックコンピュータ (COMPAQ) の買収だったらしい。

驚いたのは、2006年にHPがリリースして販売を開始したテレビ会議システム「Halo」。インフォメーションセッションの合間に、30分ほどデモを見せて頂いたが、世界中のオフィスを一つにつなぐこのシステムには本当に驚いた。たぶん、近い未来にはこういったシステムが家庭にも普及していることだろう。
fy06-156.jpg 会社の雰囲気は、シリコンバレーの中ではちょっと固めで、6社の中で唯一ネクタイをしている社員の人を見た。HPは比較的BYUが好きのようで、2週間後の2月の上旬にはキャンパスに出向いてJob Interviewを実施する予定。参加した学生達も現金なもので、次のインフォメーションセッション何ぞ知るか、のごとく会の終了後も社員に食らい付いて自己アピールをしていた。(おかげで次のアップルコンピュータのインフォメーションセッションはほぼ全員遅刻)

初日の午後は、IDEOに訪問した。IDEOは、製品のデザインを提供するコンサルティング会社。本社はカルフォルニアのPalo Altoにあり、すぐ近くにスタンフォード大学がある。IDEOは、1991年に二つのデザイン会社が合併して発足した会社で、製品デザイン、サービス、環境、デジタル関連などの領域でビジネスを展開している。日本でも東京オフィスを一時はオープンしたようだが、現在は撤退してしまったらしい。

道に迷って偶然迷い込んだスタンフォード大学

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最も有名な彼らの手がけた製品の一つは、Macのマウスで、その他にも会社にはたくさんの彼らの製品が展示されていた。

お洒落なオフィス
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本でできた本棚
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手がけた製品の一部
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非常に興味深かったのは、彼らのビジネスの展開の仕方で、デザインというと、芸術的なイメージを持ってしまうのだが、実際には彼らは緻密なリサーチに基づいてマーケットニーズを読み取り、それらを「デザイン」という見える形に加工している、マーケティングの専門会社なのだと分かった。
目が覚めたら、サンノゼについていた。ツアー第一番目の企業はeBayで、朝9時に現地に集合だった。8時半にeBayに到着した我々は、駐車場でスーツで着替え、そのままツアーに参加した。eBayの建物は、来る前は東京にあるような高層ビルを想像していたが、実際にeBayの本社に到着してみると、建物は平屋で思ったよりも古くて、なんだか意外だった。

有名な、会社ロゴの前で
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駐車場で着替える我々
DSCF5350.JPG1995年にオークションサイトから始まったeBayは、現在eBayは世界28ヶ国に拠点を広げ、正規登録者数2億3,000万人、出品点数10数億点の地球規模のインターネットオークションサイトに成長している。日本へは、1999年10月に日本法人「イーベイジャパン」設立、日本電気と組んで2000年に進出したが、会員が集まらず、2002年3月31日に撤退している。

これは僕も訪問するまで(事前学習不足で)知らなかったのだが、eBayはインターネット電話のスカイプ と、欧米でのデファクトとなっている決算システムPayPalを買収しており、現在ではオークション、インターネット電話、決済システムの3本柱でビジネスを展開している。

eBayの展開するビジネスの本質を一言で言うならば、プラットフォーム提供カンパニーだと僕は思う。プラットフォームは、オークション、インターネット電話、決済システムの3つに共通する概念であり、これらはいずれもトラフィックを増やすことで自動的に収益が増える仕組みになっている。事実、社員の人たちからの話でも、自社のことを、Small Business Generatorと呼んでいて、人々がビジネスを展開するためのプラットフォームを提供することが自分たちのビジネスモデルであると言っていた。

企業訪問では、2時間ほどのインフォメーションセッションが用意されていて、BYU出身のファイナンス部門のディレクターを中心に、いろいろな話を聞くことができた。eBayは、ある程度固定化されたビジネスの形態であるせいか、階層化された組織構造を匂わせる雰囲気で、楽天とちょっと似ているような気がした。

競合については、Amazonの名前を挙げていたが、あちらさんに比べて、うちは在庫リスクがないからねー、と言っていた。また、参加した学生から「CEOが変わるっていう噂ですが、実際にはどうなんですか?」と言う質問に対しては、「じきにわかります。」という返答だった。実はこの数時間後、eBayはCEOの退任を発表し、新しいCEOが就任するというすごいタイミングでの企業訪問だった。

ロビーにて
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明日から始まるシリコンバレーツアーに参加するため、ようやくプロボを出発したのは夜の8時だった。本当なら、もっと早く出発したかったのだが、皆火曜日はクラスがあり、最後のクラスは5時に終わったので、仕方なく夜通し西へ車を走らせることになった。最初はケニーの車で、という話だったが、韓国人のカイルがでかいバンを持っているということで、彼の奥様から許可をもらい、彼の車で行くことになった。

プロボからシリコンバレーへの道は至って単純。I-15と呼ばれる南北に走るハイウェイを北に向かい、ソルトレークでI-80と呼ばれる東西に走るハイウェイを西に向かう、ただそれだけ。

ひたすら車を走らせること6時間、ネバダ州のリノという町を越えて、いよいよ今回の旅の最大の山場、ロッキー山脈越えに挑むことに。すると、最も恐れていた雪が降り始めてきた!!あたりは車などほとんど走っておらず、ライトもほとんどない中、2車線の山道を進む我々。

「これ、やばいんちゃう?」

そう思っていると、道にゲートができていて、脇に男の人が手を振って立っていた。

「これからはチェーンが必要です。」

というわけで、慣れないチェーンを皆でつけることに。
DSCF5347.JPG 30分ほどかけてチェーンをつけて、旅を再開。実はリノからここまでは僕が運転していたのだが、ここからは事故に会う可能性が高いので持ち主のカイルが運転したほうがいいだろう、ということで、選手交代。

僕に記憶があるのはここまでで、後部座席に移った後は、泥のように眠りに落ち、気が付いたら朝になっていた。



プロフィール


明治大学政治経済学部卒業。帝人グループを経て、現在ブリガムヤング大学経営大学院マリオットスクールMBAプログラムに在籍。上司であるCEO(超・偉い・奥さん)と、新入社員(子供)二人の4人家族。 このブログは、まだ小さな2人の子供たちに、将来本にして贈るために書いています。


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シリコンバレー企業ツアー: 2008年1月: 月別アーカイブ

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