2009年冬のセメスター: 2009年2月アーカイブ

47820092.jpg今セメ履修しているクラスの一つが、ソーシャルアントレプレナーシップだ。日本語だと、社会的起業という言葉になるのだが、その意味は、社会的課題の解決を目的として収益事業に取り組む事業体ということだ。

通常の企業は、極論すると利益を出すことが至上命題であり、目的なのだが、このソーシャルアントレプレナーシップにおいては、何らかの社会問題を解決することが目的であり、ビジネスをその実現手段と位置づけている。つまり、目的と手段がまったく異なっているのだ。


教科書は、How to Change the World なのだが、この本は「世界を変える人たち」というタイトルで邦訳も出ている。


このクラスを教える先生は、ワーナー・ウッドワーフ博士という名物教授。ウッドワーフ博士は、BYUで社会学の学士と修士を取られた後、ミシガン大学で社会心理学の修士と、組織行動学と心理学の博士号を取得されており、実社会でも、アーサー・D・リトルを始めとするコンサルティング会社で経験を積まれている。


博士は、ここマリオットスクールでは、MPAとMBA、及びUndergraduateの学生達に、第三世界開発と、ソーシャルアントレプレナーシップを教えているのだが、自身も多くのNPOやNGOのコンサルティングや運営に携わる、筋金入りのソーシャルアントレプレナーだ。

ノーベル平和賞の受賞者ムハマド・ユヌス氏と、ウッドワーフ博士
med_YunusWWSummit2.jpg

クラスが始まって早々、履修している学生たちにメールが入っていて、そこには、

” 僕は君達と同じ一ソーシャルアントレプレナーであり、同士だ。だから、僕のことはウッドワーフ博士と呼ばずに、ワーナーと呼ぶように。”

と書かれていた(といっても、誰もワーナーと呼ぶ人はいないのだが。笑)。


ここブリガムヤング大学は、末日聖徒イエス・キリスト教会の基金で設立された学校だ。そのため、以前元MBAディレクターのスタイス教授の記事を紹介したとおり、BYUの学生は、自分や家族だけでなく、教会で他の人々に貢献するように、ということを理念一つとして掲げている。しかし、ウッドワーフ教授は、そのさらに先、世界中の人々、特に、貧困に苦しんでいる第三世界の人々を助けるために、私達は尽力を尽くさなければならないという考えを持っている。


クラスでの彼の考えは非常に面白く、例えばこんなことを言っていた。

”僕の教会の友人に、丘の上に豪邸を建てた奴がいたから、「奥さんと二人でなんでベットルームが10室もある家が必要なんだ。神様に懺悔をすべきだ!」と言ってやった。”

”毎年クリスマスの時期になると、親達は、自分の子供に5つも6つもプレゼントをあげるが、一つでいいじゃないか。それで、余ったお金を、途上国の恵まれない子供達のために寄付するといったことを、もっとすべきだ。”



ちなみに今日は、7時からのCISセミナーのゲスト講師として教授が来ていて、彼の考えのダイジェスト版を聞くことができたのだが、彼の話を聞きながら、下記の図が頭に浮かんできた。

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これは、自分と、自分が貢献すべき他の人々の優先順位を表したものなのだが、多くの人は、自分自身と家族のレベルで止まってしまっていることが多いのかもしれない。しかし、教授が常々お話されているように、このリーチを伸ばすために、もっといろいろなことが出来るのではないだろうか。その意味で、世界をよりよい方向に変えてゆくのは、私達一人びとりの責任だ。

ウッドワーフ教授を見ていると、人々のために自分の人生を捧げる人というのは、本当に輝いていて、魅力的だと思う。上の図にある領域を、広げれば広げるほど、きっと人生は満ち足りた素晴らしいものになっていくに違いない。


”自分が感じる幸福の大きさは、自分が他者に与えた幸福の大きさと同じである。 By 筆者”


僕 「という訳で社長、僕も世界を変えるために尽力することにします。」

社長(妻) 「あなたねぇ、世界を変えるまえに、まずは自分を変えなさいよ。また洗濯物脱ぎっぱなしよ!(怒)」

僕 「ヒー」

三本木先生を囲む会・第二弾

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昨年に引き続き、『ザ・ゴール』シリーズの翻訳者であり、BYUMBAプログラムの先輩である三本木先生を囲む会を、日本人会で開催した。

マリオットスクールでお会いしたのだが、時間厳守がモットーの三本木先生は、やはり時間きっかりに現れ、予約しておいた会議室で日本人生徒4人と、楽しい2時間を過ごすことができた。以下、ダイジェスト。

・・・・・・・・・・・・・

最初の一歩を踏み出す勇気

昔私がサラリーマンだった頃は、独立して仕事をしている人たちが信じられませんでした。しかし、今自分が実際に独立して仕事をしてみると、とにかく大切なのは、とにかく行動する、つまり最初の一歩を踏み出す勇気だと思います。

『ザ・ゴール』の翻訳のときも、自分の周囲にいる人たちは、「そんなことできっこない」「無理だ」と異口同音に言っていましたが、「とにかくやってみよう」と行動したことが、成功に繋がりました。

これはどんなことでも同じで、とにかく行動してみて、まずそこから小さな成功を見れるように努力をしてみる。この小さな成功が、後々大きな成功に繋がっていくのだと思います。


客観的に自分を見る

ビジネスをやっていると、いろいろな難しい場面に遭遇するときがあります。私は、こんなときにとても大切なのは、「当事者にならないこと」だと思っています。当事者になってしまうと、感情がコントロールできなくなったり、必定以上に思いつめてしまったりして、多くの場合、よい結果に結びつきません。

ではどうするのか。私は、苦しんでいる自分を客観的に見るもう一人の自分というものを、意識するようにしています。こうした見方をすることによって、いろいろな難しい状況というのを、もっと楽しめるようになりました。

難しい場面に直面すると、頭の中で、「よし、三本木亮、今度お前はどうやってこの問題を解決するんだ?」ともう一人の自分が問いかけます。こうした見方は、物事を冷静に見るのに、大きな助けになりますし、問題を解決するプロセスというものを、楽しめるようになります。


「違い」を知る

他者とうまくやっていく秘訣の一つは、お互いの「違い」を認識することです。人と人は違う。当たり前のようですが、こうした大前提を分かっていないケースがよくあります。

昨今のアメリカの外交がまさにそれで、アメリカからだけ見た「正義」を振りかざす限り、事態は悪くなるばかりでしょう。人間関係も同様で、そもそも人は違う、という認識に立てば、もっと相手の立場や考え方というものを、思いはかれるようになると思います。


目的と行動を一致させる

ザ・ゴールの中で、私が好きな場面に、「企業の真の目的は何だ?」と問いかけるシーンがあります。この質問は、実は本当に大切で、企業にしても、一個人にしても、自分が求めている目的と、今の自分が行っている行動が一致していないことが多々あります。ですから、事あるごとに目的を再認識し、行動をそれに合わせていく必要があります。


子育てについて

私は、小さい頃に自分のやりたいことが見つからなかった、という教訓から、子供達には、小さいころから「将来何になりたいのか?」を考えさせるようにしてきました。その結果、子供達は皆、それそれの目標を持ち、努力するようになりました。これは、子供達が、自発的に自分の目標を持った成果だと思っています。

その中での親の役割といえば、子供がやりたいことを見つけたときに、子供達がそれを実現できるように準備をさせ、環境を整えてあげることだと思います。


・・・・・・・・・・・・・

2時間はあっという間に過ぎ、非常に楽しく、またためになる時間を過ごすことができた。しかし、『ザ・ゴール 日本語訳』の誕生秘話は何度聞いても面白く、また学ぶべきことが多い(尚、この誕生秘話は、BYU MBA日本人会公式サイトに掲載されているので、ご興味がある方はアクセスしてみてください)。

また、最近出された新刊のザ・チョイスを、皆一冊ずつ頂いてしまい、本当に感謝です。

三本木先生、貴重なお時間を、本当にありがとうございました。

Tax Returnの季節がやってきた

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年明けの1月2月になると、恒例の税金のペーパーワークの季節になる。去年もやったのだが、仕事が禁止されていたので、何の戻りもなかったのだが、今年は、MTCで仕事をしているので、僕も晴れて税金の還付金が受けられる資格が得られることになった。

しかし、これがとにかく面倒くさい。個人でこの税金の還付金を受ける手続きをするのは、ほぼ不可能で、アメリカ人たちですら、専門のアドバザーを見つけて、書類作成に取り掛かる。


先日日本にいるときも、ローレンやブライアンが還付金のことを話していた。

ブライアン 「去年申請したら、100万円くらい戻ってきたよ。やはり子連れの学生っていうのはいいね。」

僕 「・・・・ナヌ!!100万円!?」

ローレン 「そりゃすごいね。そうだ、ちょっとお金払うから、今年のやつ手伝ってくれないかな。。」

さすがブライアン。CPAはどこにいても引っ張りだこだ。しかし、100万円はすごい。一体どういう制度になっているんだろう。



僕はInternationalなので、通常のアメリカ人たちとはちょっと手続きなど違うため、BYUが用意してくれたセミナーに参加しなければならなかったのだが、その時は丁度日本にいて出席できなかった。

困ったなあ、と思っていると、去年たすく君が、ライブラリーでボランティアが助けてくれるサービスがあると教えてくれたことを思い出した。BYUのサイトから調べてみると、やっぱりあった。ギリギリセーフで申込んだ。

・・・・・・

そんな訳で、当日。用意する書類がいろいろあった。

1.パスポートとビザ
2.自分と奥さんのソーシャルセキュリティナンバー
3.銀行のアカウント
4.W2フォーム

図書館の一階のセミナールームで、最初に4枚ほどのペーパーワークを仕上げ、待つこと15分。中国人の女の子が僕を呼びに着た。賢そうな女の子で、KPMGのスウェットを着ている。

そうか、アカウンティングプログラムの学生達が、ボランティア(アルバイトかも)で働いているのだ。


ここから、マンツーマンで、パソコンに向かって、専用のソフトウェアに必要項目を記入してゆく。いやあ、これは一人では真面目に無理だ。

結局、一時間ほどかけて、自分の提出書類を作り上げることができた。PCから必要な書類をプリントアウトし、封筒に入れておしまい。

中国人の女の子 「4月15日までに必ず送ってね。」

僕 「はい。ところで、お金は必ず戻ってくるんですか。」

中国人の女の子 「戻ってくるわよ。ちょっと処理が遅いけど。」

僕 「で、僕はいくら・・・?」

中国人の女の子 「ああ、あなたはねぇ、えーと、70ドルよ。」

僕 「アレ?」


期待をはるかに超えて低いかったので、ずっこけてしまった。どうも、僕のように2年くらいしかアメリカにいないInternationalは、単に払った税金が戻ってくるだけらしい。まあでも、戻ってくるだけ感謝です。

社長(妻) 「フフフ、これでまた子供服を買う資金が少し増えたわ・・。」

僕 「ヒー」

僕のへそくりは、一生できそうにありません。。


MBAディレクターからのメール

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この不況下で、生徒たちのことを心配してか、珍しくディレクターのクレッグメレル博士から皆にメールが来ていた。


cbm3.jpgDear Friends in the MBA Program,

I have been thinking a lot about your situation amid challenging market conditions.  I bet you didn't know that the current job market was the one that you had signed up to contend with back when you made the decision to enter the MBA program.  Yet, here we are with work to be done.  

You did not arrive in the BYU MBA program by chance.  Many of you have shared the decision making process you went through as you chose to come here.  I know that you were thoughtful and prayerful as you made decisions.  Think back to all of the reasons that you felt good about enrolling in the MBA program at the time you made your decision.  You are a lot like the early converts to the LDS faith who gathered to Salt Lake City only to be sent out to settle new communities in the west.  I was remembering one such group this past summer.  I have included a picture of Hole in the Rock where a group of settlers had to maneuver more than 200 people and 80 wagons down this impossible gap in the rock.  Having made the decision to accept the gospel message, they also accepted the challenges that came with it.  I marvel at the faith that brought them through this passage to a settlement in the desert southwest. 

Those pioneer settlers lived, like you are living, the principle of faith taught in Hebrews 11.  You had a reason to begin the journey.  You did not blindly dive into the MBA program.  You made a decision based upon “assurance of things hoped for [and] evidence of things not seen” (Heb. 11: 1, JST).  Following this introduction to faith, we are reminded in Hebrews 11 that Noah built the ark before the rain began to fall, Abraham left his home seeking a land of promise that he had not seen, and Moses forsook the riches of Egypt before he knew the Lord’s plan for him. The stories are many and persuasive, we must believe and act before we see God’s solution for us.

My heart has been warmed as I have heard stories of your care and concern one for another.  I know that this is a stressful time.  Let me share with you a simple formula that seems to work for me.  I remember the reasons that I have embarked on a course of action.  I pray like the outcome depends entirely on the Lord.  Then, I work like the outcome depends entirely on me.  I have not always ended up where I had planned for myself but, as I look back at difficult times, I have always seen the hand of the Lord in my life.  Be willing to walk through the doors the Lord may open, trusting that He has your best interest in mind.

All my best,

Craig Merrill

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Crucial Conversationの教科書の一つが、この「Influencer: The Power to Change Anything」だ。この本は、Crucial Conversation同様、ケリー・パターソン博士とその共著者によって書かれた本だ。Crucial Conversationが、どちらかといえば会話のスキルにフォーカスをしているのに対し、本書は、他者に影響を与えるための様々なコンセプトや手法を学ぶことができる。事例が豊富で、飽きることなく読み薦めることができる。


はじめに

誰でも、影響を与える人=Influencerになることができる。影響を与える人になれるかどうかは、性格の欠陥や、モチベーションの欠如などというよりはむしろ、単に能力が足りないだけのことが多い。



評価可能な結果を明らかにする

私達は、影響を与えようとする前にまず、どのような変化を起こそうとするのか=結果を、決めなければならない。効果的な結果には、下記の3つのポイントがある。

1.具体的で評価が可能であること。この意味で、結果は定性的なものでなく、定量的なものでなければならない。

2.自分が本当に欲しいものでなければならない。

3.いつまでに欲しいのか、明確な期限が設定されていなければならない。



決定的な行動を見い出す

影響を与える天才たちは、「行動(Behavior)」に焦点を合わせる。小さな行動の改善は、大きな変化を生み出す力になる。つまり、物事に影響を与え、波及効果の高い、いくつかの、決定的な行動(Vital Behavior)にフォーカスをあわせるのだ。

では、どうしたら、違いを生み出すVital Behaviorを見つけることができるのか。その方法の一つが、ベスト・プラクティスによる比較だ。これは、高いパフォーマンスを出すグループの行動=ベストプラクティスと、その他のグループの行動を比べて、その違いを見出すリサーチ手法で、この手法には二つの重要なポイントがある。

第一が、行動プロセスに着目する、というもの。成功する人々が実際にどのような行動をしているのか、その行動プロセスに着目して、観察する必要がある。

第二は、既存の研究やリサーチを活用することだ。過去において、実に多くの領域で、多くの専門家達が様々な因果関係を紐解いている。これらの研究結果を活用することにより、Vital Behaviorの発見は容易になる。


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本来なら、今回のトリップは、土曜日に帰るはずだったのだが、MTCの仕事がある僕は、水曜日の夜に皆に別れを告げた。

今回フィールドスタディで一緒になっているグループは、トラックがまるで違うため(僕はマーケティングで、他のメンバーは、サプライチェーンかファイナンス)、ほとんど同じクラスを履修したことがなかったのだが、さすがに10日近くも、寝食を共にしてずっと一緒に行動していると、ずっと前から一緒にいたような錯覚に陥る。来週すぐに再会すると分かっていても、先に僕だけ帰ってしまうのが、少しさみしい気がした。

夜8時に新橋のホテルを出て、社長(妻)の実家がある千葉県印西市に向かった。一人になるのは、久しぶりだ。印西牧の原に到着したのは、九時半頃で、あり難いことに、お義母さんが車で迎えにきてくれていた。

お義父さんは、つい数日前に、晴れて定年退職していて、子供達から贈られた色紙が部屋に飾ってあった。二十歳から社会人になって働き始めたというお義父さんは、40年間もひたすら社会人として走り続けていたことになる。お義父さん、本当にお疲れ様でした。


数日ぶりに、社長(妻)にスカイプで電話を掛けた。このブログを読んで僕の行動の一部を知っている社長(妻)は、開口一番こう切り出した。

社長(妻) 「ちょっと~、随分楽しそうじゃないの~。私が閉ざされた世界で苦労してるっていうのに。っていうか、あんた仕事本当にしてんの?ブログに、遊んでることと、食べてることしか書いてないじゃないの。」

僕 「ヒー。な、なに言ってるんですか、ちゃんと仕事してますよ。守秘義務があって、書けないだけです。」

社長(妻) 「フーン。ま、いいわ。それより、頼んでおいたDVDのファイナライズ処理、お願いね。」

僕 「・・・はっ。」

社長(妻) 「まさか、忘れてたんじゃないでしょうねぇ。」

僕 「お、覚えてますよ。ははは。。」


危ない、危ない、すっかり忘れていた。前回、ファイナライズ処理をし忘れて、かなり締め上げをくらったのだが、また忘れたりしたら、とんでもないことになる。

翌朝、無事にファイナライズを終えて、お義母さんが社長(妻)から頼まれて購入していてくれた日本食をパッキング、午後に空港に向かった。お義母さんは、近くの駅まで僕を送ってくれて、無事に成田空港に到着した。


今回の日本トリップは、一言で言うと、まさに天から降って沸いた旅だったと思う。ちょっと不純な動機で参加したのだが、100キロ近い荷物を卒業前に持って帰ることが出来た上、本当に充実した楽しい経験を多くすることができた。お世話になったABC社の方々、そして三人のクラスメイトたちに、心から感謝したい。

しかし、今回の旅で改めて痛感したのは、アウトプットというのは、インプットなしにはあり得ない、ということだ。初めからわかっていたことだが、今回のプロジェクトのように、サプライチェーンという自分の専門外の領域になると、個々の情報を消化し、整理するフレームワーク(=物事の考え方)がないので、まるで頭が回らない。ただでさえ、英語でのコミュニケーションにハンディがあるのに。もっと幅広い教養を身につけないといけないと思った。

また明日から、プロボでの日常が始まります。・・・来週の宿題、何も手をつけていません。週末はまた地獄です。

天才ブライアンと行く楽しい日本トリップも、後半に突入。我々一行は、相変わらず、プロジェクトの合間にちょこちょこと東京を散策し、日本を楽しんでいる。(社長、すいません。)


しかし、ガイジンの視点と日本人の視点はまったく違うもので、僕も、思っても見なかったことをいろいろと気づかされた。まず、食事。東京に来て、翌日の食事を買いに、ローソンに行ったときのこと。カルピスを見たブライアンが叫んだ。


ブライアン 「おお、これなんだ!?カルピス?」

僕 「ああ、スポーツドリンクでしょ。何か面白いことある?」

ブライアン 「ケンジ、カルピスのピスってどういう意味が知ってるか?」

僕 「いやしらないけど。」

ブライアン 「ピスっていうのはなぁ、お○っこのことなんだぞ。」

僕 「ヒー」


さらに、ポカリスウェット。


ブライアン 「オーノー、スウェットってどういうことだ。汗が入っているのか?」

僕 「・・・・」


確かに、「ポカリ汗」 と聞くと、日本語でもおかしい。


ホテルの朝食では、納豆が話題に昇った。何でも食べるジャイアントガイジン二号・ローレンは、納豆も平気で食べていたが、ブライアンはどうしても食べることができかった。僕が納豆をかき混ぜていると、

ブライアン 「ダメだ。俺には食べれない。その腐った豆は、まるでスパイダーネット(くもの巣)みたいだ。」

とのこと。


さらに、かりんとう。スーパーで買って食べていると、3人が怪訝な目で見ている。

ローレン 「それ、どう見ても、う○こにしか見えないぞ。」

ブライアン 「確かに。それは犬のう○こだ。」

僕 「・・・・」


ガイジンたちが感動していたのは、レストランのシステムで、リモートでオーダーが飛んでいくシステムや、ウェイターを呼ぶときに使う、リモートベルなど。アメリカにはないらしく、「これは便利だ」と大喜び。


ちなみに、今回のトリップは、食費もすべて無料で、ABC社が出してくれる。もちろん、高いレストランには行けないが、自称ジャイアントガイジンのエリック(2メートル)と、ローレン(190cmオーバー)の二人の食べること食べること。特にエリックは、どこに行ってもポッキーとソーダを買って飲んでいて、大きいのも納得だ。



靖国神社へ行って感じたこと

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どういうわけか、普段は行く場所にあまり意見を出さない自称ジャイアント・ガイジンのエリックが、靖国神社のWar Museumに行きたいと言っていたので行くことになった。

御茶ノ水のエリアに、学生時代、社会人と何年もいた者としては、とても恥ずかしいことだが、今回の日本トリップで、初めて靖国神社へ行った。

九段下の駅を4人で降りて、武道館を横目に、靖国神社へ向かう。この武道館は、1997年に、大学の入学式で足を運んで以来だ。懐かしい。あの頃の僕は、1年に及ぶ浪人時代を終えたばかりで、社交性を失った、やや屈折した大学生だったと思う。あれから12年も経って、また学生をしているなんて、何とも不思議な気分だ。そして、今は3人のアメリカ人と一緒に、12年前と同じ場所を歩いている。

巨大な鳥居をくぐり、まっすぐ直進する。

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神社の本堂に近づくと、その手前の休憩所で、なにやら日本の軍服を着ている70代か80代のおじい様がたが、ラッパを吹きながら、日本の国旗を掲げて叫び声を挙げている。

ローレン 「あれは、一体何をしているんだ?」

僕 「さあ。右翼じゃないかなぁ。」

ローレン 「ウヨク?写真取れるかな?」

僕 「聞いてくるよ。」


近づいて聞いてみた。

僕 「何をしていらっしゃるんですか?何か今日あるんですか?」

軍服のおじいさん 「ああ、これは単なる趣味ですよ。趣味。毎日こうして来てるんです。」

僕 「そうなんですか。実はアメリカから友達が来ていて、観光で来たんですが、彼らが何をしているのか知りたいっていうので。」

軍服のおじいさん 「何、アメリカ!?」


突然軍服のおじい様方の目の色が変わった。


国旗のおじいさん 「アメリカ、あいつらだけは絶対に許せん。大東亜戦争で、どれだけの日本人が殺されたことか。」

軍服のおじいさん 「現代における最大の敵は共産主義だ。それなのに、アメリカの奴、中国や北朝鮮と仲良くしやがって・・・許せん。」

国旗のおじいさん 「君、君も日本人なら、あのアメリカ人たちにしっかり教育してあげなさい。ブツブツブツ・・・」

僕 「・・・・・(ヒー)」


おじいさんたちは、アメリカに対する敵意を丸出しにして、どんどんとヒートアップしてくる。写真なんて、とても頼めない。何とか話を中断て、3人のところに逃げ帰った。

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本堂を少し見た後、ミュージアムへ向かった。遊就館だ。

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この遊就館にはびっくりした。この遊就館の内容を語る前に、靖国神社とは何か、簡単に触れておきたい。靖国神社は、幕末から明治維新にかけて功のあった志士達から、戊辰戦争以降の日本の国内外の事変・戦争等、国事に殉死した日本の軍人、軍属等を祭神としている。靖国神社本殿に祀られている「祭神」は「天皇・朝廷・政府側の立場で命を捧げた」戦没者、英霊で、計246万以上の柱が祀られている。

つまり、簡単に言うと、靖国神社とは、お国のために亡くなった人たちを祭る神社なのだ。実際、遊就館に入ってみると、幕末から大東亜戦争(第二次世界大戦)までの歴史と共に、殉死した人たちがたくさん紹介されていて、英語では彼らを 「War Hero (戦争の英雄)」と表現している。

これはひどい。遊就館の展示品すべてが、国安かれと亡くなった人たちを祭る、という大義名分の下に、侵略戦争のすべてを正当化しているのだ。


ここ数年、アメリカと日本を何度か往復する中で、韓国人、中国人そしてアメリカ人のクラスメイトたちと戦争について語ったり、ひめゆりの生き残りである社長(妻)のお婆ちゃんから話を聞いたりする機会を得ることができたが、如何なる戦争も、自衛などのごく限られた理由を除き、決して正当化してはいけないし、すべきではないと思う。

先に出会った、軍服を着た右翼のおじい様が、第二次世界大戦のことを、

「白人主義からアジアを守るために戦った聖戦だ」

と表現していたが、冷めた目で見れば、間違いなく大東亜戦争は日本が仕掛けた侵略戦争だし、如何なる大義名分も、日本が韓国や中国に対して行ってきた残虐な行為の数々を、正当化することは出来ないと思う。

日本を間違った方向へ導いてきた指導者たちに対する批判や反省なく、いたずらに亡くなった人々を祭ることは、逆に、亡くなった方々に対する、侮辱になるのではないだろうか。日本を間違った方向に導いてきた国の指導者も、その犠牲になった若者達も、ともに神として祭壇に祭る。道理で、小泉首相が参拝するときに、韓国や中国が激怒するはずだ。

遊就館を歩き回りながら、僕はだんだんと気分が悪くなってきた。中里のおばあちゃん(ひめゆりの生き残り)も、きっとここに来たら気分を害されるのではないだろうか。


遊就館では、上記に書いたようなことを、3人に話しながら進んでいったのだが、彼らも、真珠湾攻撃は日本が全面的に悪いだとか、朝鮮戦争やベトナム戦争はアメリカの間違いだったとか、いろいろなことを話しながら館内を歩いて回った。ちなみに、3人のアメリカ人の中で、ローレンだけは数年前にイラク戦争に出兵している。バクダットに数ヶ月滞在していたという。

本当なら、広島や長崎の原爆ミュージアムを見せてあげることができればよかったのだが、しかし本当にここにこれてよかったと思う。いろいろと考えさせれられた。ジャイアントガイジンたちよ、僕をここに連れてきてくれてありがとう。

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プロジェクトのことは、守秘義務があるのでまったくブログに書くことができないが、夕方や土曜日はオフになるので、近場の東京観光ツアーに行くことができた。

生まれて初めて外国人たちと東京をうろうろと歩くことになったのだが、日本人としては当たり前でも、アメリカ人達から見ると面白いと思うようなものがたくさんある。


中でも、銭湯は最も面白かったところで、我々はケニーのおススメだという、大江戸温泉物語に行ったのだが、ここにくるまでは、本当に一苦労だった。


僕 「銭湯は絶対にみんなで行きたいんだけど。ケニーのおススメだし。」

ローレン 「おお、行ってみたいねぇ」

ローレンは結構乗り気だったが、他の二人が嫌がった。


ブライアン 「俺は絶対にいやだ。皆裸になるんだろう?アメリカで男同士で裸になるのは、ゲイだけだ。」

僕 「は?ゲイ!?」

エリック 「俺も行きたくねぇよ。」

僕 「・・・・・・」


しかし、僕はどうしても入りたい。なんとか二人を説得し、金曜日の夕方に温泉に行くことが決まった。

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まず、入り口を入ると、靴を脱ぎ、その後お金を支払うと、浴衣を選ぶことができる。これが、ガイジンたちには大ウケ。嫌がっていたのが嘘のように、皆エキサイティングしながら、浴衣を選ぶ。

ブライアン 「おお、俺は絶対にスモウレスラーの奴がいい!」

ローレン 「俺はあの9番がいいね。」

早速更衣室で着替えた。

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中へ入ると、そこは別世界だった。日本風の出店や、お食事どころが見事に立ち並んでいる。これはすごい。本当によく出来ている。もちろん、ガイジンsは大喜びだ。

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温泉に4人でゆっくり使った後(残念ながら写真はありません)、出店で食事をした。食事をするためには、別にお財布は必要ではなく、カウンターで貰った通行手形のバーコードをスキャンするだけ。ハイテクだ。

ブライアンは、覚えた日本語で一生懸命オーダーをしていた。

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エリックは、ゲイシャを見つけて写真を撮ってもらい、上機嫌。

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2時間ほど、時間を過ごしてホテルに戻った。帰り道。

ブライアン 「いやあ、ここは本当にクールなところだ。また来てもいいな。」

僕 「・・・・・(あんなに嫌がってたくせに。笑)」


いやあ、ケニー君、素晴らしいところを教えてくれてありがとう。

プロフィール


明治大学政治経済学部卒業。帝人グループを経て、現在ブリガムヤング大学経営大学院マリオットスクールMBAプログラムに在籍。上司であるCEO(超・偉い・奥さん)と、新入社員(子供)二人の4人家族。 このブログは、まだ小さな2人の子供たちに、将来本にして贈るために書いています。


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