仕事を見つけた話

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ボストンキャリアフォーラムが全滅


100年に一度と呼ばれる未曾有の世界同時不況は、否応なしに、MBAのジョブマーケットにも降りかかってくる。

まず、異変を感じたのがボストンのキャリアフォーラム。MBAの求人は金融を中心に激減。しかも、この数ヵ月後に、どの外資系も、新卒以外のほとんどすべての中途採用をフリーズ。MBA定期採用を行っていた企業は、コンサルや医薬系などの一部を除き、完全に落ち込んでしまっていた。

そんな訳で、インターンシップを探しに訪れた昨年のキャリアフォーラムでは、3社からオファーを貰った僕も、08年のフォーラムでは全滅してしまった。


某銀行のトップを紹介してもらう


あるとき、途方に暮れてMBAラウンジにいると、キャリアセンターのディレクターのディック・スミスが話しかけてきた。

ディック 「仕事探しはどう?」

僕 「死んでますよ。。」

ディック 「日本だったら、一人だけ紹介できる人がいるけど、連絡してみる?」

僕 「誰ですか?」

ディック 「ABC(仮名)バンクの社長。」

僕 「・・・・(金融か・・、不況のど真ん中じゃないか。)」


どう考えても、無駄なアプローチだろうと思ったのだが、せっかくの申し出だったので、連絡先だけでも聞いておくことにした。

僕 「本当ですか?是非紹介してください。」


連絡先を貰ったものの、無駄なアプローチだとほぼ分かってたため、どうにも気が乗らず、気がついたら一ヶ月がそのまますぎてしまっていた。これは流石にまずいだろうと思い、ケニーの助けも借りて、彼にメールを出してみることにした。

 My name is.. (中略) ..I am  looking to head back to Japan after graduation this April and searching for employment.  With the current economic conditions I am sure you are aware that the job market is very competitive and unstable.  I have not had much success thus far in my job search and was hoping to get in contact with you to discuss possibilities and/or get some leads on employers or companies that could utilize someone with my background experience and credentials.  I can be reached at the contact information I have listed below.  I would greatly appreciate any leads or assistance you could provide.  I look forward to hearing from you in the near future.


すると、こんな返信が。


Although we are not hiring in 2009 I have forwarded your resume to Matt Wilson who is the head of the LDS business association as well as the stake employment specialist.  Hopefully he will be able to point you to some leads here in Japan.


何と、例の社長は、僕のメールとResumeを、あるビジネスコミュニティを運営している人に転送してくださったのだ。すると、彼は、数日後に、Graduating MBA student from BYU seeking employment opportunities というタイトルで、僕のResumeを、コミュニティのメンバー全員に送ってくれた。

数日間は、何もこのメールに対する反応はなく、あーあ、と思っていたのだが、思いがけず、独立して人材エージェントを営んでいるBryanから、突然短いメールを貰った。

I've got an idea at ABC.Co(仮名) as a marketing person for their SI group. The head of the COO is a friend of ours  Would that interest you? 

 
ABC社は、僕の探しているIT関連の会社。すぐに興味があると、メールをの返信を出した。ところが、それ以降、相手からの返事が返ってこなくなってしまった。


思い付きっぽいメールだったので、やっぱり角度は低かったのか、と思いながら、そのまま一ヶ月がさらに過ぎた。



日本行き


エージェント経由で、面接のオファーがやっと入ったのは、2月の終わり頃。そこも、初めて聞く、小さなコンサルティングファームだった。この面接一社だけのために、高い航空券を捻出するのは、自転車操業をするわが社(家)の経済状況からすると、かなりきつかったのだが、人事を尽くして天命を待つという言葉を信じて、日本に行くことにした。

すると、社長(妻)がこんなことを言い出した。

社長(妻) 「例のあの会社どうなったの?Bryanに連絡してみなさいよ。」

僕 「いやあ、あれは見込みが薄いから、送っても無駄だと思いますよ。」

社長(妻) 「いいから送りなさいって!」

数日間こんなやり取りをしていたのだが、あまりにしつこいので、フォローアップのメールをBryanに出してみた。すると、思いかげず、面接のセットアップをしてもらえることになった。

小さなコンサルファームと、ABC社。この2社が、卒業前の最後のJob Opportunityだった。



日本での出来事


日本行きはかなりの強行スケジュールで、月曜日にソルトレークを出て、火曜日に到着、そして金曜日の夕方に成田を出る、という日程だった。

まず、水曜日の昼にBryanとDavidに恵比寿で会い、明日のABC社についてのミーティングを開く。彼らから、事業内容や、会社の状況、面接官についての情報を教えてもらう。

Bryan 「相手のニーズをまずよく理解する。そして、自分がそのニーズを満たせることを説明できれば、すべてうまく行くよ。」


その後、夕方に小さなコンサルファームと面接。これは死んだ。話があまりかみ合わず、撃沈。


そして、木曜日の昼に、ABC社の部門長と面接だった。一時間くらいだったが、説明された事業内容は非常に面白そうで、また、この部門長の人柄も、すっかり気に入ってしまった。今までの経歴や興味関心などをいろいろと聞かれ、この日は終了。最後にこう聞かれた。

部門長 「で、もしうちからオファーが来たらどうするの?」

僕 「もちろん、受けさせて頂きます!」

部門長 「ふーん。出発はいつ?」

僕 「明日の夕方です。2時くらいまででしたら、時間があります。」

部門長 「じゃあ、明日最終面接を入れてあげよう。」

部門長 「!!!!」


そんな訳で、帰る日のお昼に最終面接が行われた。面接官は、先の部門長、人事部長、そして専務だった。今までの経歴、どういった会社を探しているのか、そしてうちで何をしたいのかについて聞かれた。

アメリカに戻った後、Webテストの連絡が来て、テストを受け、正式なオファーが来たのは2週間後だった。


社長(妻)が僕にしつこく連絡をするように言わなかったら、この話はなかっただろう。奇跡だ。しかし、今回の最大の教訓は、人と人はどう繋がるかまったく分からない、ということだ。無駄だと思えた例の社長へのメールから、最後はこんな風に繋がっていくなんて、とても最初は創造できなかった。

英語で、We wil see というフレーズがある。この件もあってからか、このフレーズに込められた、「どうなるか分からないが、やるだけやってみよう。」というニュアンスが僕は非常に好きになった。人事を尽くて天命を待つとよく似ている。




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    明治大学政治経済学部卒業。帝人グループを経て、現在ブリガムヤング大学経営大学院マリオットスクールMBAプログラムに在籍。上司であるCEO(超・偉い・奥さん)と、新入社員(子供)二人の4人家族。 このブログは、まだ小さな2人の子供たちに、将来本にして贈るために書いています。


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