フラット化する社会 ─僕らはどうやって生き残り、子供に何を残せるのか?

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20061224_299451.jpgグローバルマネジメントの教科書は、 フラット化する世界 という、本の原書で、World is Flat という本だ。この本は、トーマス・フリードマンというジャーナリストによって書かれたもので、グローバリゼーションの本質と、個人、企業、そして国家がどのようにこれらの変化に対応すべきなのか、鋭く迫っている。

内容を読んでいて、僕らはこれからどうやってこの世界を生き残り、自分達の子供に一体何を残せるのか、非常に考えさせられた。原書でも500ページある本書は、邦訳でも上下巻の大作で、とてもすべてを網羅することは出来ないが、大切だと感じたポイントをまとめおきたい。


1.グローバリゼーションの三つの段階

グローバリゼーションには、3つのステージがあり、現在は3.0の段階にいる。個人的には、この変遷を理解することは非常に大切で、どのように付加価値の源泉が変化していっているのか、よく見極めて考える必要があると思う。

(1)グローバリゼーション1.0: 
コロンブスが航海に乗り出し、旧世界と新世界のあいだの貿易が始まったグローバリゼーションの黎明期

(2)グローバリゼーション2.0:
1800年頃から2000年頃まで続いた、産業革命からはじまった、ハードウェアの分野での飛躍的進歩の時代

(3)グローバリゼーション3.0: 
2000年前後から、パソコンと光ファイバーを活用したIT技術により、始まった、まったく新しい時代。



2.世界をフラット化した10の力

要因1: 冷戦の終焉に始まった、新しい創造の時代
要因2: インターネットの普及
要因3: 共同作業を可能にした新しいソフトウェア 
要因4: アップローディング
要因5: アウトソーシング
要因6: オフショアリング
要因7: サプライチェーン
要因8: インソーシング (*UPSに代表される、新しいアウトソーシング&サプライチェーンの形態)
要因9: インフォーミング (*グーグルが加速する情報共有と整理の世界)
要因10: ステロイド: 新テクノロジーがさらに加速する:

これらの10項目を俯瞰してみてみると、IT技術と、サプライチェーンがその中心にあるのが分かる。グローバル化は、今まで地理的に分断されていた、様々な情報や機能を一つにまとめあげ、再統合することを迫っている。



3.で、我々はどうやって生き残っていけばよいのか?

では、これらの世界で、我々はどうやって生き延びていったらよいのか?グローバル化の恐ろしい一面は、ITや新しい技術によって、今までの仕事が機械に置き換えられてしまう可能性が高いということだ。

本書では、このグローバル社会で活躍できる人材を「新ミドルクラス」と読んで、「新ミドルクラス」に必要なスキルは、大まかに言って、以下の八つのカテゴリーに分けている。

(1)偉大な共同作業者・まとめ役 (世界中の様々な労働力をまとめ上げる人)
(2)偉大な合成役 (様々なものを組み合わせて、イノベーションを起こせる人)
(3)偉大な説明役 (複雑なものをうまく説明できる人)
(4)偉大な梃子入れ役 (ITや人材、その他の資源などを組み合わせ、レバレッジを生み出せる人)
(5)偉大な適応者 (深く広い知識があり、新しいものをすぐに高いレベルで習得できる人)
(6)グリーン・ピープル(環境に優しく、資源を有効活用できる人間のこと)
(7)熱心なパーソナイライザー (人間同士のやり取りに長けた人)
(8)偉大なローカライザー (グローバルなものを現地に根付かせることのできる人)


そして、筆者は、新ミドルの道を目指す者にとって重要なのは、特定の学習過程を受けるよりも、一定の技量と姿勢を身につけることであると指摘し、そのために次の4つが、重要なポイントであると主張している。

1.「学ぶ方法を学ぶ」という能力
フラットな世界では、今、行っている仕事の一部(あるいは全部)が、常にデジタル化とオートメーション化とアウトソーシングされる可能性があるため。

2.CQ(好奇心指数)とPQ(熱意指数)
IQ(知能指数)も重要だが、CQ(好奇心指数)とPQ(熱意指数)がもっと重要になる。

3.人とうまくやっていく能力
高いコミュニケーションスキルが要求される仕事は、決して機械に置き換えられることはない。

4.右脳の資質
状況判断・感情表現・総合的処理を司る右脳を進化させること。「ハイ・コンセプト」=芸術的・情緒的な美を創り出し、傾向や好機を察知し、納得できる話をまとめ、欠けていたことに世界が気づいていなかった発明をする能力と、「ハイ・タッチ」=他人の気持ちを察し、人間が影響しあう機微を理解し、他人の良いところを引き出して、目的や意義を追求する能力がこれらに該当する。


・・・・・・・・・・・・・・

こういった話を読み進めながら、これからの時代を生きる自分と子供達について、思いを馳せずにはいられなかった。僕は大学まで日本にいて、30才にして初めてアメリカに来たわけだが、グローバル化の進展というものを、実感として始めて持つことができている。

さらに厳しさが増してゆくこれからの時代、子供達に残せるのは教育しかない。が、どこで、どのような教育を与えてあげればよいのか、よく考える必要があると思う。問題だらけのアメリカの教育制度を、手放しで賞賛するわけにはいかないが、上記に挙げたような4つのスキルを、閉鎖的な日本の教育制度の中で伸ばすことができるとも考えにくい。

子供達には、どこかのタイミングで、異文化経験と世界レベルの教育を受けさせてあげたいと思う。そして、何よりも、まっとうに社会に貢献できる人間に育ててあげたい。





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    明治大学政治経済学部卒業。帝人グループを経て、現在ブリガムヤング大学経営大学院マリオットスクールMBAプログラムに在籍。上司であるCEO(超・偉い・奥さん)と、新入社員(子供)二人の4人家族。 このブログは、まだ小さな2人の子供たちに、将来本にして贈るために書いています。


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