超・格差社会アメリカの真実

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82224542.jpg超・格差社会アメリカの真実』。留学中からずっと読みたかった本をようやく入手した。この本はアマゾンを見ていたときに見つけたのだが、ずば抜けたコメントの多さと評価の高さから、ずっと気になっていた本だった。

海外生活を経験した人は、如何に自分が日本という国について無知であるか、そして異国の文化や価値観を理解するのが一筋縄ではいかないか、痛感させられる。僕も例外などではなく、気がつけば、もっと自分の国や、留学先の国について理解を深めたい、という以前よりも強いモチベーションを持つようになっていた。

そんな中で入手したのがこの本だったが、結論から言うと非常に面白かった。この本は、タイトルにあるように、アメリカが持つ「格差」という社会問題をテーマの中心にすえた上で、建国の歴史から現在に至るまで、如何にアメリカが格差を持つようになったのか、そしてそれらがどのような影響を及ぼし、現在も維持され、問題を引き起こしているのか、丁寧に紐解いている。

いくつか興味深かったところを抜粋。


アメリカの理念と現実との間には、隠しようのない様々な乖離がある。それにも関わらず、形骸化しつつある理念や理想を常に唱え、それを信じて行動しようとする二重心理。そして様々な乖離を「進歩」によって埋めていこうとする、あるいは埋めていかれると思うオプティミズム(楽観主義)。ここにこそ、アメリカを理解するカギが隠れている。
(本書17ページ)

人が働ける時間には限りがある以上、労働効果にレバレッジを効かせなければ、労働効果の違いはたかが知れている。レバレッジを上げる手段はさまざまな資本だから、それがいったん集中したら、レバレッジは比較級数的な違いを産む。そこにはもちろん投資リスクが伴うから、そのリスクを軽減する手段として、競争の排除や軍事・警察力、行政、司法権、財政資金等の援護射撃が必要になる。
(本書160ページ)


本書には、アメリカが、「超金持ち」「仕事のプロ」「貧乏人」「社会的落ちこぼれ」の4種類しかおらず、いわゆる中流階級が消滅しつつあり、格差がますます広がっていることを示唆している。

こうした格差の一部は、ユタ州のような田舎にいても、生活の中で容易にみかけることができる。工事現場やファーストフードで働いている人は圧倒的にメキシカンなどの南米の移民が多いし、福祉プログラムに足を運んでいる人も、圧倒的に白人以外の人種が多い。

アメリカの金融を支配しているのは、ウォール街だが、160ページの引用にある通り、上流階級内における、公と産の往来はかなりある。例えば、現在の ヘンリー・ポールソン財務長官はゴールドマンサックスの元CEOだった。


また、以前N会長から、アメリカ人は、目的やビジョン、ミッションなど、コンセプチュアルな思考が日本人よりもずっと進んでいるから、その点はよく学んできたらいい、と教えて頂いたが、そのことも本書に指摘されていて納得。

バックグランドがまったく違い、素性もよく分からない人たちが烏合離散を繰り返す社会には、同質の人が定着している社会とは異なるノウハウがある。・・・だから、マネジメントの最も重要な役割は、集団の目的を明確に設定すること、それに合わせて必要な能力を集め、チームの各人が持つ能力やエネルギーを、目標達成という同じ方向に向かせて最大級に引き出すことになる。
(本書242ページ)


今読めて良かったが、せっかくなら一年前に手にしておけば、もっとアメリカを見る目が違ったことだろう。



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    明治大学政治経済学部卒業。帝人グループを経て、現在ブリガムヤング大学経営大学院マリオットスクールMBAプログラムに在籍。上司であるCEO(超・偉い・奥さん)と、新入社員(子供)二人の4人家族。 このブログは、まだ小さな2人の子供たちに、将来本にして贈るために書いています。


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