未来は自分でつくるもの ─エアバスVSボーイングのケースに学ぶ

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2003905696.jpg先週から今日までは、今セメスターの山場で、ミッドタームの期間だった。テストが5科目ほどあり、狂ったように忙しかった最初のセメスターと比べて、今回は「企業倫理」と「企業戦略入門」のたった二つ。

この二つのうち、「企業戦略入門」は、エアバスVSボーイングのケースを分析して、グループでペーパーを提出する、というものだった。この通称「エアバスケース」は、1年次の冬セメスターの中でも有名なタフなケースで、たすく君の言葉をかりると、「エクセルがすごいことになりますよ~」というくらい、エクセルを駆使した分析が必要になるアサイメントだ。


ボーイングは、世界の航空宇宙業界をリードしているアメリカを代表する航空会社で、日本の航空会社の多くも、ボーイング社の製造した飛行機を採用している。

一方エアバスは、1960年代から続く、アメリカ企業の世界的な旅客航空機市場の独占に対して危機感を抱いた欧州連合によって、1970年にフランスのアエロスパシアルと西ドイツDASAが共同出資し設立された企業。エアバス社が、圧倒的なシェアと実績を持つボーイング社に対し、新製品の開発によって「宇宙(そら)」の覇権を掛けた戦いを挑む、というのが今回のケースで、エアバスVSボーイングは、まさに、アメリカ対欧州連合の、国家の威信をかけた壮絶な戦いの縮図ともいえる。


今回のケースは、エアバスが「A3XX」という新型の航空機を開発するか否か、またそれに対してボーイングはどのように対応すべきなのか、NPVとゲーム理論を駆使して分析を行う必要があった。

分析の結果、焦点となるのは、需要予測とコストの下落率であることが分かった。ボーイング社の需要予想が400機であるのに対し、エアバス社の需要予測は1500機。NPVを計算すると、もしボーイング社の予測が正しければ、エアバス社は新型の飛行機を開発すべきではないし、逆にエアバス社の予測が正しければ、当然製品を開発すべし、との結論が導かれる。

さて、どちらの数値が正しいのか。


結論から言うと、どちらも正しい、ということになる。なぜなら、需要というのは、自分達で作り出すものだから。よい製品を作り、一生懸命販売すれば、おのずと需要は増えてくる(もちろん、ある程度のレンジはあるが)。その意味で、エアバス社の予測は間違いではないし、逆に努力を怠れば、需要は伸びずにボーイング社の予測の数値に近づいていくだろう。コストの下落率にしても、自分達の努力によって、20%にでも30%にでも引き上げることができるはず。

つまり、このケースの最大のTake Awayは、「未来は自分達でつくるもの」ということ。環境分析は大切だし必要だが、最終的に自分達の未来を築き上げるのは、自分達の努力でしかない。偶然、ケースの課題を提出した後、グロービスのサイトで、ローランド・ベルガー会長の遠藤功氏の記事を読んだが、その中に通じる話が紹介してあったので、自戒の意味も込めて引用したい。


マザーハウスという会社があって、山口絵理子さんという20代の起業家がいる。世界の最貧国で、ジュート(黄麻)を使って、日本で売れるようなバッグを作っている。 (中略) 

ビジネススクールで分析したらその合理性は説明できない。早稲田のビジネススクールでケースとして取り上げた経験がある。バングラデシュで、ジュートを使って欧米など先進国で売れる商品を作れるか、可能性を検証しなさいという宿題を出した。GDPは低い、インフラは整っていない、カントリーリスクは高いと学生たちが分析するわけです。そしてみんなNOだった。こんなビジネスは成り立たないと。多分、私でもNOです。 でも彼女は現地で工場を建てて、従業員も雇って、日本で売っているわけです。これって何なのか。彼女の強靭な信念というのは、数十の軟弱な出来ない理由を駆逐した。

MBA的な知識を使えば、「出来ない」という証明はいくらでもできる。しかしそれは、「出来る、やる」という思いを覆すものではないということです。  自分は何をやりたいのか、何ができるのか、何を目指すべきなのか。腹から沸きあがってくる強烈な思いを常に意識して勉強してほしい。単に知識を詰め込んでも、ビジネススクールで学んでも、強い主観は見つかりません。自分の心の中で探すものです。

(ローランド・ベルガー会長の遠藤功氏)


300px-A380_Reveal_1.jpgさて、話をエアバスに戻すと、その後、エアバス社は2000年にこの「A3XX」プロジェクトの開発を開始し、2005年に初飛行を完了。このエアバスA380 と呼ばれる飛行機は、世界初の総2階建て、ターボファン4発の超大型旅客機で、完成披露時点ではボーイング747を抜いて、民間機として史上最大・世界最大の航空機となった。

エアバスも、自分達の未来を、自分達でつくりあげる道を選んだわけだ。さて、僕はどんな未来をつくろうか。

社長(妻) 「遠い未来の前に、まずは目の前の洗濯ちゃんとやってよね!溜まってるわよ!」
僕 「ヒーー!」

(そう、洗濯は僕の仕事なのです。。。)



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    明治大学政治経済学部卒業。帝人グループを経て、現在ブリガムヤング大学経営大学院マリオットスクールMBAプログラムに在籍。上司であるCEO(超・偉い・奥さん)と、新入社員(子供)二人の4人家族。 このブログは、まだ小さな2人の子供たちに、将来本にして贈るために書いています。


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