企業倫理とエンロン事件
企業倫理のクラスでは、DVD 『Enron: The Smartest Guys in the Room』を見た。このDVDは、日本語でも『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか? 』というタイトルで発売されている。このDVDは、売上高13兆円、全米7位、全世界16位という地位にまで上り詰めた巨大企業が、いかに腐敗し、倒産していったのかを暴くドキュメンタリーだ。「利益確保」という企業の大義名分の下、次々と不正会計に手を染めてゆく経営陣。これらの不正経理は、1980年代から始まり、さらには全米有数の会計事務所であるアーサーアンダーセンも加担していたから始末が悪い。この結果、アーサーアンダーセン自身も2002年に解散に追い込まれてしまう。MBAのクラスメイトの中にも、アーサーアンダーセンで働いていた人も数人いて、もちろん彼らは転職活動をして現在に至っている。
エンロンは2001年10月、ウォールストリート・ジャーナルがエンロンの不正会計疑惑を報じた後、次々とスキャンダルが明らかになり12月に破産申し立てをして、倒産してしまうのだが、その時の負債総額は、日本円で3兆とも4兆とも言われている。
こうしたエンロン事件などを学んでみると分かることだが、粉飾決算の手法や取引の仕組みは高度に専門的なものになっていて、素人には容易に理解し難いものになっている。MBAで学ぶような、様々なビジネスの理論や手法は、悪用しようと思えばいくらでも悪用できるものだ。だからこそ、今後、ビジネススクール各校では、企業倫理教育はさらに必要不可欠なものになっていくだろう。
また、BYU MBAの生徒達はほとんどがクリスチャンだから、倫理的に高い標準を持っているので、特別な教育は不要だ、との意見があるかもしれない。しかし、こうした倫理教育が複雑なのは、ビジネスにおいては、自分の上司、顧客、取引先、株主など多くの利害関係者がいる中で、契約や法律などの要素も絡んできて、うまく全体のバランスを取らなければならないところにある。もちろん、粉飾決算などは、悪いものははっきり悪いと言えるのだが、契約や法律ではOKでも、倫理的にどうか、といった状況も多くあるわけで、その中でどうやって優先順位付けをして意思決定をしてゆけばよいのか、クリスチャンといえども、ビジネス倫理の教育をしっかりと学んでゆく意義があると思う。

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