Brigham Young Statue.jpgこのブログ最後に、自分なりに、このBYU、そしてBYUMBAとは何だったのか、この留学生活すべてを通じての総括を書いておきたい。

この世に存在するあらゆる組織は、その設立された目的があり、BYUもその例外ではない。そして、BYUのユニークさは、この目的にこそあると思う。

そして、僕が受験を始める前に、BYUMBAの説明会で当時のMBAディレクターのスタイス教授が看破されていたように、BYUの目的は、「Building Zion」、この一言に尽きる。

BYUにある数多くの学部は、それを実現するための手段の違いに過ぎない。音楽は音楽を通して、語学は語学を通して、そしてビジネスはビジネスを通して、この目的を達成するための教育を提供することを、BYUは意図している。

この学校の精神を表す標語とあわせるなら、こういう言葉になる。
Enter to learn, Go forth to serve to build Zion


MBAに行こうかどうか迷っていた頃、ウォートンでMBAを取得されたアドバンテッジパートナーズの創業者のリチャード・フォルソムBに、MBAを取る意義を相談しに行ったことがあるのだが、そのとき彼は、次の4点をMBAを取得する意義として語ってくれた。

1.人脈
MBAを通して、幅広い人脈を築き上げることができる。ビジネスは結局人と人のつながりによって築き上げられているので、幅広い人脈は生涯を通しての自分の武器になる。

2.学位
MBAという学位を持つことによって、新しい就職の機会が広がる。MBAの学位が応募に必須となっているポジションが世の中には確かに存在する。(まあ、その扉を開きたいかどうか、というのは別問題だが。)

3.経営に関する、幅広く、専門性の高い学習
財務、ファイナンス、人事、サプライチェーン、マーケティング、戦略など、経営全般についての幅広い知識を学ぶことができる。また、自分の専攻に応じて専門性の高い学習ができる。

4.語学と異文化体験
海外に留学する人は、英語を始めとする大に外国語を取得できる。特に、英語は現在の世界の標準語であり、この言語を習得することは、グローバルな環境下で、必要不可欠なスキルの一つである。また、異なる文化圏の人々を理解し、共に働くことも、語学と合わせて重要なスキルだ。



このときのフォルソムBの結論は、教育の質はさておき、日本人の卒業生が少なく、日本での知名度も低いBYUはお勧めできない、というものだった。今、自分のBYUでの留学生活を振り返ってみて、確かに、フォルソムBが指摘されているようなことはその通りかもしれないとも思う(日本では誰も知らないのだから)。

しかし、僕は、BYUでMBAを取得すること意義について、一つ付け加えたいと思う。そして、この最後の一つの理由故に、BYUでMBAを取得することが、人生において大きな意味を持つのだ。

それは、人々と、地域社会、そして教会に貢献する決意と勇気だ。

2年間を通して、自分の持てる知識や才能、お金、時間を犠牲にして、人々と、地域社会、そして教会に貢献する多くの模範を見ることができた。それは、社会で成功した後も無償でBYUで教鞭を取る教授であったり、何ら不自由ない生活を捨てて途上国の人々に仕え続けるNPOの創立者だったり、CISプログラムを設立したカードン氏だったり、大変な状況の中でも身銭を切って友人を助け続けるあのお方だったりするのだが、彼らは、今や僕を含めた卒業生達に、彼らの輪に加わるように招いているのだ。

世界を変えるような大きなことはできないかもしれない。しかし、自分にできることが大きかろうと、小さかろうと、自分の持てるものを提供し続けることが大切であることも、この2年間で学んだことの一つだ。そして、この決意を心に抱いて、これからの人生を歩んで生きたい。

全米でも高いレベルの教育を、最も安い学費で提供している大学、BYU。それは、BYUを築き上げてきた多くの先人たちの努力と、善意ある人々の惜しみない寄付のおかげだ。従って、もし、この場で学ぶことを許され、そしてその後、人々と、地域社会、そして教会に貢献することを忘れてしまうとしたら、それはこれらの人々に対して、大きな借りを作ってしまうのではないだろうか。

これは、お金を返せばそれで済むとか、そういう問題ではない。なぜなら、僕らがその機会を得た、ということは、同時に誰かがその機会を失った、ということであり、そして時計の針は逆へ戻ることはない。

つきつめて考えると、僕のマリオットスクールで学んだこと、そしてこれから背負っていかなければならないもののすべては、マリオットスクールが掲げる4つのミッションに帰結する。この4つのMissionこそが、マリオットスクールとして、How to build the Zion?の問いに答えるものだ。その意味で、自戒の意味もこめ、この4つのミッションを、この最後のエントリにも書き記しておく。


Our Fourfold Mission

EDUCATION
To attract, develop, and place men and women of faith, character, and professional ability who will become outstanding leaders capable of dealing with change in a global environment

RESEARCH
To advance knowledge using strong conceptual foundations to identify and solve management problems--focusing on global, technological, and entrepreneurial drivers

OUTREACH
To extend the blessings of management education to members of the Church of Jesus Christ of Latter-day Saints worldwide

FRIENDSHIP
To develop friends for the university and church by serving in professional organizations and collaborating in the development of management-education programs



このブログを書いている僕は今31歳だが、今までの31年間を考えてみると、今まで、類まれな幸福な人生を歩んできたと思う。しかし、その中でも、この留学生活は、一際輝いていた時期だった。そして、これらの輝きを与えてくれたのは、僕を支えてくれた家族、そして我が家を助けてくださった、多くの人々の支えがあったからに他なりません。

最後に、子供達へのメッセージという形で書き続けてきたこのブログの読者となって下さった皆様一人びとりにも、心からの感謝の言葉をお伝えして、筆ならぬ、キーボードを置きたいと思います。


さよなら、マリオットスクール、そして、僕の2年間。

また、これからマリオットスクールへ入学される幸運な方々へ、僕から一言。

「マリオットへようこそ!」


森の中で二つの道があり

一方は踏みならされた

もう一方は誰も通った後がなかった

私は後者を選んだ

それが大きな違いをもたらした

(ロバート・フロスト)


2009年4月30日
ユタ州プロボ市にて

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  • 留学生活の総括 ─ BYU、そして僕にとってのMBAとは何だったのか?
  • 社長(妻)への感謝
  • 子供達へのメッセージ
  • お世話になった一人ひとりへの感謝
  • Lessons Learned from Angels and Triangles
  • MBAライフ最良の日 Part.2 ─ Marriott Schoolの卒業式
  • MBAライフ最良の日 Part.1 ─ BYUの卒業式
  • MBAのすべてのアサイメントが無事終了
  • 息子達とBYUを散歩する
  • MTCの打ち上げ
  • その他のファイナルプロジェクト
  • ファイナルプロジェクトその2: ソーシャルアントレプレナーへの第一歩
  • Final Project その1Brand ManagementのBrand Audit
  • MTCの仕事風景
  • MBAラウンジで
  • 今度は父からめでたいお知らせ ─ヒビタン誕生の巻
  • アレックスがBusiness Weekに載った話
  • MBA クロージングソーシャル
  • マネー教授の家で打ち上げ
  • おばあちゃんが天に召された話

  • プロフィール


    明治大学政治経済学部卒業。帝人グループを経て、現在ブリガムヤング大学経営大学院マリオットスクールMBAプログラムに在籍。上司であるCEO(超・偉い・奥さん)と、新入社員(子供)二人の4人家族。 このブログは、まだ小さな2人の子供たちに、将来本にして贈るために書いています。


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